病気の話

高まる善玉菌への期待?!

善玉菌が腸内細菌のバランスを改善することでヒトの健康、老化や病気と大きくかかわっていることがわかってきました。よくある質問にお答えします。

【善玉菌と悪玉菌とは?】

腸内には約100種類・100兆個の細菌が住んでおり、体重の約1 -1.5kg は腸内細菌の重さで肝臓とほぼ同じです。腸内ではビフィズス菌などよい働きをする「善玉菌」と大腸菌など害を及ぼす「悪玉菌」が共存していて、細菌の構成は個々人、乳幼児と成人そして高齢者でも異なっており、腸内を善玉菌優勢にすることが健康維持の秘訣です。

【便秘と腸内細菌の関係は?】

便秘では体内に大量の有害な老廃物を抱えており、老化も早まり、シミやシワなど肌のトラブルが起こりやすくなります。ヒトのウンチの約10%は生きた細菌で占められており、便秘では悪玉菌の生育に都合がよく、悪玉菌が増えると腸の働きが衰え、ますます便秘に傾き、また悪玉菌が増えるといった悪循環に陥ります。便通を改善する鍵はおだやかな下剤や腸内洗浄などでこの悪循環をたち、食生活を改善して善玉菌優位に変えることにあります。

がん予防や寿命にも有効な善玉菌!

【 がんと善玉菌は?】

大腸がんは食生活と密接な関係があり、善玉菌の発ガン予防効果を確かめた実験では、食物繊維も乳酸菌製剤も腫瘍が発生する頻度に差はなかったものの、6年間で悪性化する割合は善玉菌投与では食物繊維だけの場合の3分の1に減りました。また胃がんなど他のがんにも有効といわれ、寿命を延ばすデータもあり注目されています。

【腸内細菌のバランスを崩す原因は?】

腸内細菌は食生活の乱れ、不規則な生活、ストレス、抗生物質の摂取や老化の影響を受けやすく、肉食中心の脂肪過剰生活、食物繊維不足、暴飲・暴食ストレス、加齢、抗生物質、食中毒などは悪玉菌の増加、善玉菌の減少を招きます。

【善玉菌を増やすには?】

食物繊維を豊富に含んだバランスのとれた食事をとり、ストレスの少ない規則正しい生活を送ることですが、簡単にできる善玉菌を増やす方法は 1) 同じ種類のビフィズス菌を毎日食べる 2) ヨーグルトなど善玉菌を増やす食品も積極的に食べる 3) オリゴ糖を食べる(カロリー摂取は増えず、便秘の方は出やすくなります)

えェ?ッ、痔がガンになる!?

そんなことはありません。 外科的な定義では、肛門管は恥骨直腸筋の高さから肛門縁までの3?4cmの管状部を指します。皆さんが生まれる前、大腸と肛門とは、実は離れていたものが、肛門の入り口2cmあたりで次第にくっついて最終的には口から肛門までがあたかも水道管のような一本の管(消化管)として完成し、誕生を迎えます。肛門と腸の境目はギザギザにくっついてあたかも歯ぐきのように見えますので、この線を歯状線と呼びます。この境目のすぐ上は皮膚成分と大腸粘膜成分とが入り交じった、人体の中でも特殊な部分で、移行帯とも呼ばれ、皮膚のガンに近いものから大腸のガンに近いものまで様々な種類のガンが発生する母地となっています。 しかも指で触知しうる部分であるにもかかわらず進行癌として発見される場合が多く、肛門管癌の自覚症状としては、とくに早期のものは排便時の新鮮血出血以外特徴的な症状は無く痔出血として見逃されやすいので注意を要する。また、進行したものは痔核や肛門周囲膿瘍とまぎらわしいが、硬く、可動性が悪いことで鑑別される。

内外痔核、イボ痔、切れ痔、肛門ポリープは絶対にガンにはなりません。 しかし、(頻度の低い)肛門ガンを(ありふれた)「内外痔核、イボ痔、切れ痔、肛門ポリープ」と誤診されてしまうことが往々にしてあります。そして残念ながら、進行した場合、手術は人工肛門がさけられません。しかし、早期でしたら局所切除+放射線治療(肛門を残す)も可能です。しかし、上記の理由により早期に見つかる事が少ないのです。

・肛門の肛門管の歯状線直上部のいわゆるtransitional zoneは皮膚粘膜移行部に位置し、多彩な組織像を示す悪性腫瘍の発生を見、しかも指で触知しうる部分であるにもかかわらず進行癌として発見される場合が多く、臨床的ならびに組織学的に多くの問題点を有している。今回我々は肛門科外来で経験した同部に発生した肛門管癌4例について主に診断の面で痔疾患と比較検討したことで鑑別される。

切らなくても痔が治る!?

イボ痔(内痔核)の注射療法剤としては、長らくパオスクレーという薬が使われて来ました。これは出血にはよく効きますが、外に出てくる痔に対しては効果が不十分で、手術で切るよりほかありませんでした。

【中国で開発された新しい注射療法】

70年代に中国で開発された新たな注射薬『消痔霊』は中から出てくる痔にも効果があり、治癒までの期間が短く、副作用や後遺症もほとんどみられないことが報告されてきました。その効果が認められ、国内でも一部で使用されてきましたが、保険が効かず一般には広まりませんでした。そこで、三菱ウェルファーマが主体となって『消痔霊』を改良した、注射薬『ジオン』を開発して4月から保険での使用が認められるようになりました。これは内痔核に注射すると流れ込む血液の量を減らし、痔を硬くして粘膜に癒着・固定させる治療法です。切る手術と違い、「出血する」、「傷口が痛む」というようなことはほとんどなく、外来でもできます。手術を怖がっていた患者さんにとっては新たな選択肢が増えたと言えます。 ただ、一つの痔に対して4か所に分割して投与する特殊な注射法(4段階注射法)で、さじ加減が難しいため実施医師は、肛門領域に精通した医師で、内痔核治療法研究会の講習会を受講した者であることが必須要件です。市内では当院ですでに受けられた方たちもおられ、今後、専門医のいる施設を中心に段階的に広まると考えられます。

専門医は ホームページで!

【肛門科の専門医や指導医とは?】

日本大腸肛門病学会の専門医は学会の認定施設で6年以上の修練を行い定められた診療実績および業績を有する者に与えられます。また、指導医は専門医取得後さらに4年以上大腸肛門病の診療に従事し、研究活動を行っている者に与えられ、専門医を育てる立場にあります。肛門科は外科のなかの一つの専門科ですが診察も手術も難しい科で外科医から一人前になるのに10年はかかると言われています。 日本大腸肛門病学会の専門医は全国に約1400人、大きく大腸内科系、大腸外科系、肛門外科系の3部門に分かれていて、大部分は肛門以外の大腸を主とする専門医です。肛門を専門とする肛門外科系専門医は全国で200人、そのうちの指導医は100人程度しかいません。大分県内には3部門合計の専門医は15人、うち肛門外科系専門医は5人います。もちろん専門医を掲げてなくとも腕の良い経験豊富な先生もおられますが、誰が専門医かは『日本大腸肛門病学会』のホームページの「市民の方へ」で簡単に閲覧できますので参考にされると良いでしょう。

便がすっきり出ない、細くて形もおかしい! 直腸がんでもできたんじゃないでしょうか!?

便の形はみな様々です。バナナのようなウンチがスルッと出たのを見た時の安心感・充足感は出した本人にしか分からないひそかな喜びです。逆に形がおかしいと心に暗雲が広がるような重い心配に変わります。実際、直腸がんや肛門がんでは便が細くなる場合もあります。ただ、これは極端に進行した場合で大抵は出血など他の症状を伴いますので細いだけではそれほど心配はいりません。

なぜすっきり出ないのでしょう??

腸は一本の長い管で、掃除機のホースの蛇腹のような無数のくびれがゆっくり動いてウンチを送り出します。動きがスムースな時はバナナのウンチが出ます。何らかの原因でこの動きが変わると様々な形のウンチが出てきます。この腸の動きというものはもともとストレスや体調不良、睡眠不足などの影響を非常に受けやすいものなのです。「ストレス」を感じる脳と、腸は自律神経によってつながっているために脳が感じるストレスは腸にも伝わり、動きが不安定になるのです。

ナイーブな人ほどなりやすい過敏性腸症候群!!

検査では目に見える異常はないのに便通がおかしくなり、腹痛や下腹部の違和感などの症状を伴うものを『過敏性腸症候群』と呼び、神経質でナイーブなひとにおこりやすい身体変化ですが、実は強いストレスにさらされれば誰でもなります。
おおまかに下痢型、便秘型、下痢と便秘の交替型、ガス型などに分けられ、下痢型では下痢・軟便が日に何回もあり、「食べたら、すぐトイレ!」というパターンも多く、ひどい方では旅行もままなりません。 便秘型は女性に多く、年齢とともに腸内環境の悪化で増える傾向にありますが最近は20代の女性でも食生活が原因で70代と変わらない人もいます。何日も便が出ず、出ても少量のコロコロ便で色が黒く、臭いがくさい、残便感があるなどの訴えが多いようです。 交代型は下痢と便秘を交互に繰り返し、下痢止めや食事制限で「下痢」を抑えると今度は便秘になり、気分までが不安定になります。 ガス型は下腹が張り頻繁におならが出ます。

どうすれば良いのでしょう?

ストレスの原因をはっきりさせて、これを取り除くのが一番の近道ですがこれがやっかいです。せめて運動や趣味などでいっときでも忘れる時間を作ることです。食生活も重要ですが食事内容に神経質になるより楽しい食事を心がけ、水分を十分に摂り、アルコールもほどほど(?)適量であれば飲んでもかまいません。ただ、「たかが便秘」「下痢症だから」と放っておくと大腸がんなどの深刻な病気による『過敏性腸症候群もどき』のケースもありますから病院で検査は受けてください。

中国で開発された新しい注射療法とは?

イボ痔(内痔核)の注射療法剤としては、長らくパオスクレーという薬が使われて来ました。これは出血にはよく効きますが、外に出てくる痔に対しては効果が不十分で、手術で切るよりほかありませんでした。ところで、70年代に中国で開発された新たな注射薬『消痔霊』は中から出てくる痔にも効果があり、治癒までの期間が短く、副作用や後遺症もほとんどみられないことが報告されてきました。その効果が認められ、国内でも一部で使用されてきましたが、保険が効かず一般には広まりませんでした。そこで、三菱ウェルファーマが主体となって『消痔霊』を改良した、注射薬『ジオン』を開発して4月から保険での使用が認められるようになりました。これは内痔核に注射すると流れ込む血液の量を減らし、痔を硬くして粘膜に癒着・固定させる治療法です。切る手術と違い、「出血する」、「傷口が痛む」というようなことはほとんどなく、外来でもできます。手術を怖がっていた患者さんにとっては新たな選択肢が増えたと言えます。  ただ、麻酔下で一つの痔に対して4か所に分割して投与する特殊な注射法(4段階注射法)で、さじ加減が難しいため市内では当院だけが初めて使用が認められ、すでに何名かに使用されています。この後、専門医のいる施設を中心に段階的に広まると考えられます。

えェ?ッ、切らなくても痔が治る!?

【広がる新治療法】

開発されて一年、県内では濱田クリニックで初めて実施を認められた新しい痔の注射療法薬『ジオン』が静かな広がりを見せています。この程、この注射療法の効果や工夫を報告する第一回内痔核治療法研究会総会が全国の肛門科専門医を集めて東京で開催され、大分県からは濱田院長が発表を行いました。総会では手術治療に劣らぬ効果が数多く報告され、合併症などで使用が限られつつあるPPH療法とは対照的に広まりが印象付けられました。濱田クリニックにおいても、従来の日帰り手術に加えてこのジオンを使うことで入院手術例数が減り、日帰り治療が大部分を占めるようになりました。

【新しい注射療法とは?】

イボ痔(内痔核)の注射療法剤としては、長らくパオスクレーという薬が使われて来ました。これは出血にはよく効きますが、外に出てくる痔に対しては効果が不十分で、手術で切るよりほかありませんでした。ところで、70年代に中国で開発された新たな注射薬『消痔霊』は中から出てくる痔にも効果があり、治癒までの期間が短く、副作用や後遺症もほとんどみられないことが報告されてきました。この『消痔霊』を改良した注射薬が『ジオン』で、昨年4月から国内でも保険での使用が認められるようになりました。これは内痔核に注射すると流れ込む血液の量を減らし、痔を硬くして粘膜に癒着・固定させる治療法です。切る手術と違い、「出血する」、「傷口が痛む」というようなことがなく、外来でもできます。手術を怖がっていた患者さんにとっては新たな選択肢が増えたと言えます。 【限られた実施医師】 ただ、麻酔下で一つの痔に対して4か所に分割して投与する特殊な注射法(4段階注射法)で、さじ加減が難しいため使用が認められているのは専門医(日本大腸肛門病学会県別専門医)をはじめとする肛門疾患手術の熟練者で、講習受講者に限られています。